中小企業のホームページは、会社の存在を伝えるだけでなく、問い合わせ・採用・取引前の信頼確認を支える営業基盤です。ただし、見た目の良さや制作費の安さだけで選ぶと、公開後に更新できない、保守費が想定よりかかるといった問題につながります。
制作方法は「自社で作る」「制作会社に依頼する」「サブスクで制作・運用を依頼する」の3つが基本です。社内の担当者、必要な機能、数年間の総費用を整理すると、自社に合う方法を選びやすくなります。
この記事は、専門のWeb担当者がいない中小企業を主な対象にしています。生成物の品質や安全性を自分で検証できる方を前提とするAIによる自作の手順・ツールは紹介しません。その理由は、後半の保守運用の項目で説明します。
あおマーケティングとマルっとHPは当メディアの運営事業者が提供するサービスのため、各一覧の最初に紹介しています。掲載順は品質・価格・実績のランキングではなく、他社に順位をつける意図はありません。公式情報をもとに特徴と確認事項を整理し、用途別に比較しています。掲載情報の確認時点は2026年10月です。
中小企業のホームページの作り方|3つの方法を比較

最初に決めたいのは、誰に何をしてもらうホームページなのかです。既存取引先の確認用なら会社概要と事業紹介が中心になります。新規受注が目的なら、サービスの違い、対応範囲、実績、問い合わせへの導線が必要です。採用が目的なら、仕事内容や働く人の情報を優先します。
| 制作方法 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自社制作 | 更新担当者がおり、シンプルな構成から始めたい | 文章・写真・設定・動作確認に社内の時間が必要。技術的な管理範囲はツールによる |
| 制作会社に依頼 | 独自の構成や機能、営業・採用の課題に合わせて設計したい | 初期費用に加えて、公開後の保守・更新の契約を確認する |
| サブスクで依頼 | 初期負担を抑え、制作後も継続して相談したい | 最低契約期間、更新上限、解約後のサイト・ドメインの扱いを確認する |
スマートフォンでは表を左右にスクロールして確認できます。
自作は「無料で作れるか」より「担当者が続けられるか」で判断する
専門知識が少なくても編集できるサービスはありますが、掲載内容を考える作業までなくなるわけではありません。担当者の稼働時間、異動時の引き継ぎ、困ったときの問い合わせ先を含めて判断しましょう。独自機能が必要な場合や、社内の確認時間を確保できない場合は、外注も比較する価値があります。
制作会社とサブスクの違いは、支払い方だけではない
制作会社への個別依頼は要件に合わせて相談しやすい一方、更新や保守が別契約になる場合があります。サブスクも事業者ごとに設計の自由度や運用範囲が異なり、単に制作費を月払いするものとは限りません。「何ページ作れるか」に加え、どこまで任せられるかを比べてください。
ホームページ制作の費用は、初期費用と運用費の合計で考える

必要な予算は、ページ数だけでなく、取材・原稿作成・撮影・独自デザイン・予約機能などによって変わります。一律の相場に当てはめるより、同じ要件で複数社から見積もりを取る方が判断しやすくなります。
比較の基本は「初期費用+月額費用×利用月数+追加作業費」です。例えば初期費用0円・月額9,900円なら、36か月の月額料金合計は356,400円です。これは計算例であり、買い切り制作より安いという意味ではありません。双方の更新・保守の範囲をそろえて比較する必要があります。
- 初期費用:設計、デザイン、実装、原稿・写真の準備、既存サイトからの移行
- 運用費:ドメイン、サーバー、保守、更新代行、有料機能の利用料
- 追加費用:ページ追加、機能改修、撮影、記事制作、契約終了時の移管
「SEO対策込み」も内容を確認しましょう。タイトルや内部構造の整備と、継続的な記事制作・アクセス分析・改善提案は別の作業です。何を納品し、何を毎月実施するのかを書面で確認してください。
中小企業におすすめのホームページ制作会社5選

ここでは、相談先の候補として特徴の異なる5社を紹介します。適性は公式サービスから考えた目安です。全国から検討できるよう、オンラインでの打ち合わせ可否や、撮影・訪問の対応地域も見積もり時に確認しましょう。
合同会社あおマーケティング|ホームページと業務システムを合わせて相談したい企業に
当メディアの運営事業者です。ホームページ制作に加え、Webシステムやアプリ開発も提供しています。会社紹介サイトとあわせて、問い合わせ後の業務や将来の機能追加まで相談したい企業の候補になります。個別制作では、対応範囲・納期・公開後の保守費を見積もりで確認してください。
株式会社ベイジ|BtoBの営業や採用を見直したい企業に
BtoBサイト、コーポレートサイト、採用サイトなどを扱うWebコンサルティング会社です。事業や顧客の理解を踏まえて、サイトの役割から検討したい企業に向いています。小規模な会社案内のみを作る案件も含め、予算と支援範囲が合うかを最初に相談しましょう。
株式会社LIG|デザインと開発をまとめて検討したい企業に
Web制作、システム開発、マーケティング支援などを展開しています。ブランドの見せ方と機能面を一緒に相談したい場合の候補です。デザインの印象だけで選ばず、編集のしやすさや運用担当者への説明、公開後の対応も依頼内容に含めると比較しやすくなります。
株式会社フライング・ハイ・ワークス|設計から公開後の運用まで相談したい企業に
東京・渋谷を拠点に、コーポレートサイトや採用サイトの制作、CMS・システム開発、公開後の保守運用を提供しています。目的や情報の整理から、社内で更新できる仕組みまで相談したい企業の候補です。オンラインで地域を問わず相談できます。必要な機能、制作予算、保守・改善の支援範囲を見積もりで確認しましょう。
株式会社GIG|CMSや公開後のマーケティングまで検討したい企業に
コーポレートサイトや採用サイトの制作、CMS構築、Webマーケティングを提供しています。情報を継続的に更新したい企業や、分析・改善の体制まで考えたい企業の候補です。利用するCMS、社内で編集できる範囲、保守や分析支援の費用を分けて確認しましょう。
中小企業向けのサブスク型ホームページサービス5選

自分で制作するツールではなく、制作を依頼できるサービスを紹介します。料金や条件はプランによって異なり、変更される場合があります。契約前に最新の見積もり・利用規約を確認してください。
マルっとHP|制作後の更新も相談したい企業に
あおマーケティングが提供するサービスです。初期費用0円、シンプルプランは月額5,980円(税込)で3ページ・月3回の更新に対応。まるっと運用プランは月額9,900円(税込)で最大8ページ、月1本のSEO記事、月3回の更新などを含みます。
最低契約期間はシンプルが3年、まるっと運用が1年です。解約後は原則サイトが閉鎖され、買い取りについては個別相談となります。短期利用や自由な移管を重視する企業は、この条件を含めて他サービスと比較してください。記事制作が含まれていても、検索順位や問い合わせ件数が保証されるわけではありません。
プロパゲート「サブスクWEB制作」|デザインと継続支援を相談したい企業に
公式サイトでは制作費0円・月額9,800円からのサービスを案内しています。オリジナルデザインと運用支援を検討したい場合の候補です。「制作費0円」と契約時に必要な支払額は区別し、税区分、初期設定費の有無、更新の範囲、最低契約期間を見積もりで確認しましょう。
ホームページスタンダード|定期的に情報を追加したい企業に
月額4,400円(税込)で、WordPressによる制作と更新・ページ追加を案内しています。初期費用も必要です。依頼回数の上限がない点が特徴ですが、1回の依頼で対応するページ数・文章量・画像数などには規定があります。大規模な変更も同じ条件で頼めると考えず、利用規約と対応日数を確認してください。
ラクスク|必要な情報量に合わせてプランを選びたい企業に
初期費用0円、月額5,478円(税込)からの月額制サービスです。小規模な案内向けのミニプランから、情報量やデザインの要望に応じたプランがあります。公式FAQでは契約期間に縛りはないと案内されていますが、更新対応はプランで異なります。オプション費と、解約後のデータ・ドメインの扱いも確認しましょう。
ウェブサクッ!|ページ数や打ち合わせ方法を相談したい企業に
株式会社ハイファクトリのサービスです。複数の制作プランがあり、サブスクプランは制作費0円、10ページからと案内されています。オンライン・電話などで相談でき、対面にはエリア条件があります。月々払いと長期一括払いの条件、税込総額、更新代行の範囲、解約時の扱いを確認して検討してください。
月額の安さだけでなく、契約期間中の総支払額・更新内容・障害時の対応・解約後の継続利用を比較しましょう。詳しくはホームページのサブスクのデメリットと契約前の注意点も参考にしてください。
マルっとHPの条件が自社の利用期間や更新頻度に合う場合は、制作と運用をまとめて相談できます。
依頼から公開までの制作手順|発注前に用意するもの

- 目的を決める:問い合わせ、採用応募、取引先の確認など、優先する成果を1つ決めます。
- 必要な情報を整理する:会社概要、事業・サービス、選ばれる理由、実績、問い合わせを基本に、採用情報やFAQを追加します。
- 素材を準備する:ロゴ、写真、サービス説明、料金や対応地域、掲載許可を確認した実績をそろえます。
- 同じ条件で見積もりを比べる:ページ数、原稿作成、撮影、修正回数、保守範囲、権利と移管条件をそろえます。
- 公開前に検証する:スマートフォン表示、電話リンク、フォーム送信・メール到着、誤字、料金や住所を確認します。
- 公開後の担当を決める:更新の承認者、問い合わせ返信担当、保守連絡先、改善を振り返る時期を決めます。
SEOでは、自社の顧客が探す「サービス名+課題」「製品名+用途」などに答えるページを用意します。全国向けの企業でも、対応地域や訪問条件を明確にすると相談の行き違いを減らせます。会社名だけでなく、具体的な事業情報と実績を充実させましょう。
リニューアルの場合は、既存URLからの転送、問い合わせメール、ドメインやアクセス解析の引き継ぎも要件に入れます。完成後に移行の条件が判明すると、追加作業が発生しやすくなります。
エンジニアが重視する保守運用|知識がないままAIで自作を勧めない理由

ホームページは公開して終わりではありません。特にWordPressなどを運用する場合は、更新後の表示確認、脆弱性への対応、バックアップと復元、フォームの動作確認が必要です。サーバー管理をサービス側に任せられる場合でも、掲載情報の管理やアカウント保護は残ります。
知識がないままAIの出力を公開すると、見た目は完成していても、入力内容の処理が不十分、メールが届かない、外部サービスの認証情報が露出するなどの問題を見落とすおそれがあります。障害が起きたときに原因を調べ、復旧できるかも重要です。AIを使うこと自体ではなく、生成物を検証して運用できる担当者がいない状態が問題です。
そのため本記事では、技術判断を外部に相談したい中小企業に向けて、AI自作を制作方法として紹介していません。個人の制作者に頼む場合も、法人か個人かだけで判断せず、継続対応と代替担当者の有無を確認してください。
- 保守:何を更新するか、作業後にどこまで動作確認するか
- 復旧:バックアップの保存先・世代数、復元の担当と費用
- 障害対応:受付時間、初動の目安、緊急時の連絡先
- 所有・引き継ぎ:ドメイン名義、管理権限、データの提供範囲
- 日常運用:フォームの送信確認、退職者の権限削除、多要素認証
「保守込み」は、これらをすべて無制限に含む意味とは限りません。作業範囲と責任分担を契約前に確認し、社内にも管理情報を残しておきましょう。
中小企業のホームページ制作でよくある質問

最初からページ数を増やすべきですか?
必要な情報を伝えられる構成が優先です。会社概要・事業紹介・強みや実績・問い合わせを軸に、顧客が判断に使う情報を追加します。内容の薄いページを増やすより、具体的な事例やサービス説明を充実させてください。
SNSだけでも十分ですか?
SNSは接点づくりに役立ちます。一方、事業内容、会社情報、取引条件などをまとまった形で確認してもらいたい場合は、ホームページを併用すると案内しやすくなります。SNSからサービス詳細や問い合わせページへつなぐ使い方もできます。
制作会社に任せればSEOで上位に入りますか?
順位は保証できません。検索する人の疑問に答える内容、使いやすさ、競合状況などによって変わります。納品時の対策と、公開後の分析・記事追加・改善を分けて確認し、問い合わせの件数や内容も合わせて評価しましょう。
制作会社とサブスクはどちらがおすすめですか?
独自の機能や構成、移管の自由度を重視するなら個別制作が候補になります。初期負担と社内の運用負担を抑えたいならサブスクも比較しましょう。ただし契約条件は事業者によって異なるため、数年間の総費用と保守・更新の範囲まで確認して選ぶことが大切です。
中小企業のホームページ制作では、目的・社内体制・利用期間を先に決めることが、選び方の出発点です。候補の会社へ同じ要件を伝え、「公開後に誰が何を担当するか」まで納得できる依頼先を選びましょう。