「修正の返事が遅い」「保守費用と対応内容が見合わない」「担当者と連絡が取れない」。こうした理由で、ホームページ制作会社の変更を検討することがあります。
制作会社は変更できますが、現在の契約とサイトの仕組みによって、引き継げるものや必要な作業が異なります。先に解約すると、サイトやメールが止まったり、必要なデータを受け取れなくなったりするため、引き継ぎの見通しを立ててから進めましょう。
この記事では、ホームページ制作会社を変更する方法を、事前確認・データ移管・切り替え後の確認まで順番に解説します。
ホームページ制作会社を変更する前に、変更範囲を決める
保守会社の変更・サーバー移転・リニューアルは別の作業
制作会社を変えるからといって、ホームページを必ず作り直すわけではありません。現在のサイトやサーバーを使い続け、更新・保守の担当だけを変更できる場合もあります。
一方、旧制作会社が管理するサーバーを使っている場合は、サーバー移転も必要になることがあります。独自システムや特定サービスに依存しているサイトは、そのまま移せず再構築が必要なケースもあります。
まず「対応速度を改善したい」「費用を見直したい」「デザインも変えたい」など、変更の理由と優先順位を整理してください。必要な変更を絞ることで、作業範囲と費用を比較しやすくなります。デザインも見直す場合は、ホームページのリニューアル手順も参考になります。
解約条件とデータの取り扱いを先に確認する
契約書・見積書・利用規約を確認し、契約期間、更新日、解約の申し出期限、移管対応費、解約後に利用できるデータの範囲を整理します。デザインの編集用データ、写真、有料テーマなども引き継げるか、項目ごとに確認しましょう。
「制作費を払ったからすべて自由に移せる」「月額制だから一切引き継げない」と一括りにはせず、現在の会社に書面で回答をもらいます。不明点が残る段階で、解約日だけを確定しないことが大切です。
制作会社の変更で引き継ぐデータ・アカウントのチェックリスト
引き継ぎは、画面に見えているページをコピーするだけでは完了しません。サイトを動かすデータと、管理するための権限をセットで確認します。
スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 対象 | 受け取る・確認するもの | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| ドメイン・DNS | 登録者、管理会社、管理権限、更新期限、DNS設定一覧 | 管理会社の変更とサイト移転は別。メール用設定も確認 |
| サーバー | 契約者、管理権限、接続方法、動作環境、バックアップ | 旧会社の他顧客と共用する契約は、そのまま渡せない場合がある |
| サイト本体 | HTML・CSS・画像・プログラム・データベースなど | 画面の保存や記事の書き出しだけでは復元できないことがある |
| CMS・外部機能 | WordPress等の管理権限、フォーム、予約機能、API連携 | 有料テーマ・プラグインの契約とライセンス |
| メール | 利用サービス、アドレス一覧、保存済みメール、送受信設定 | サイトとメールが同じサーバーにあるか |
| 解析・広告 | GA4、Search Console、GTM等の管理権限と設定 | 新規作成で済ませず、既存データを見られる権限を確認 |
| 制作・運用資料 | 画像の原本、仕様書、URL一覧、運用手順、障害時の連絡先 | 素材の利用条件と、移管後の更新担当 |
WordPressはファイルとデータベースの両方が必要
WordPressでは、画像・テーマ・プラグインなどのファイルに加え、記事や設定を保存するデータベースも確認します。管理画面の「エクスポート」で取得した記事データだけでは、サイト全体を同じ状態に戻せるとは限りません。
新しい会社には、バックアップの取得だけでなく、移管先で復元して動作確認できるかまで依頼しましょう。WordPress公式も、ファイルとデータベースのバックアップを案内しています。参考:WordPress公式・バックアップ。
パスワードの共有より、管理権限の整理を優先する
自社で管理できるアカウントを確保し、新しい会社には作業に必要な権限を付与します。旧会社の個人用アカウントや他社の情報を含む共用アカウントを、そのまま受け取る方法は避けてください。
認証情報や顧客情報を含むデータは、閲覧者を限定した安全な方法で受け渡します。多要素認証、復旧用メールアドレス、契約の請求先も、自社で把握できる状態に整えましょう。
ホームページ制作会社を変更する5つの手順
1.現状を整理して変更先に調査を依頼する
サイトURL、困っていること、希望時期、契約資料、分かる範囲の管理情報をまとめます。管理画面が不明でも、まず不明な項目を一覧にすれば相談を進められます。
新しい会社には「現状のまま引き継ぐ案」と「改修や再構築を伴う案」を分けてもらいましょう。保守の内容を整理する際は、ホームページの運用保守で行う業務も参考にしてください。
2.旧会社と引き継ぎ範囲・日程を合意する
旧会社には、引き継ぎたいデータと権限、希望時期、受け渡し先、対応費用を確認します。新旧会社と自社の担当者を明確にし、誰が何をいつまでに行うかを一覧にします。
連絡は「データ一式をください」だけで済ませず、前章の確認表を使うと行き違いを減らせます。移管完了と判断する条件や、旧環境を終了する日も調整してください。
3.バックアップを取得し、移管先でテストする
サーバーも変更する場合は、現在のデータを複製し、新しい環境で表示・管理画面・フォームなどを確認します。WordPressやPHP、プラグインの組み合わせが変わると不具合が出る場合があるため、移すだけで動くと決めつけないことが重要です。
テスト環境は必要な人だけがアクセスできるようにし、本番と間違えて申し込みが入らない状態にします。切り替え直前の更新や注文を取りこぼさないよう、更新停止時間や最終データ同期の方法も決めます。
4.必要なDNS設定を変更して切り替える
DNSは、ドメインから接続先を案内する仕組みです。サーバー移転では必要な設定を変更しますが、制作会社の変更だけならDNS変更が不要な場合もあります。ドメイン管理会社の移管も、別途必要かを判断してください。
ネームサーバーを変更する場合は、Webだけでなくメール用のMXや送信認証用のTXTなど、必要な設定を移し漏らさないようにします。古い設定がしばらく参照されることもあるため、新旧両方の稼働状況を確認します。Googleも、新環境のテスト、DNS変更、トラフィック監視という流れを案内しています。参考:Google公式・ホスティングの変更。
5.正常稼働を確認してから旧契約を終了する
サイト表示だけでなく、フォーム通知、メール送受信、予約・購入、管理画面へのログインまで確認します。問題が起きた場合の戻し方も用意し、旧サーバーやバックアップは移管完了を確認するまで保持します。
旧契約を終了する際は、必要なドメインやメールまで一緒に解約しないよう、対象サービスを区別してください。引き継ぎ後は不要になった旧会社の権限を削除し、共有した認証情報や鍵の変更・再発行を進めます。
制作会社の変更で失敗しないための注意点とよくある疑問
URLを維持し、変更する場合は転送先を対応させる
制作会社を変えるだけなら、ドメインや各ページのURLをむやみに変更する必要はありません。URLを変える場合は、旧ページと新ページの対応表を作り、301などの恒久的なリダイレクトを設定します。すべての旧URLをトップページへ転送する方法は避け、内容が対応するページへ案内しましょう。
内部リンク、サイトマップ、canonical、公開時のnoindex設定も点検します。切り替え後はSearch Consoleで登録状況や検索流入を確認してください。URL変更時の検索順位には変動が起こり得るため、維持を保証する説明には注意が必要です。参考:Google公式・URL変更を伴うサイト移転。
費用と期間は、作業項目ごとに確認する
費用はサイト規模だけでなく、データを取得できるか、独自機能があるか、メールも移すかによって変わります。見積もりでは「現状調査」「移管作業」「メール対応」「不具合修正」「公開後の保守」を分け、旧会社側の費用も含めて確認しましょう。
期間も、アカウントの準備や旧会社の対応、テスト量によって変わります。解約期限から逆算しつつ、テスト・修正・切り戻しに使う余裕を確保します。安さや短納期だけでなく、障害時の対応範囲と責任分担まで比べることが大切です。
データをもらえない・連絡が取れない場合は?
まず、受け渡しできない対象と理由を確認します。契約上の条件、第三者のライセンス、技術的な制約では対応方法が異なります。自社の契約書や請求書、登録メールなどから管理先を整理し、変更先に引き継げる範囲を調査してもらいましょう。
必要な権限を回復できない場合は、サービス提供元の本人確認手続きや再構築を検討します。他社アカウントへの無断アクセスや、利用条件を確認しない素材の流用で解決しようとせず、契約の解釈で合意できない点は専門家へ確認してください。
変更先には、移管後の運用まで相談する
変更の目的が「更新を頼みやすくしたい」なら、移管の成功に加え、依頼方法・対応範囲・返答の目安を決めることが重要です。サイトの管理情報を自社にも残し、再び担当者しか分からない状態になるのを防ぎましょう。
合同会社あおマーケティングでは、ホームページ制作や公開後の運用についてご相談いただけます。「どこまで引き継げるか分からない」という段階でも、現在のサイトと分かる範囲の契約・管理状況を整理して、あおマーケティングへご相談ください。制作と運用をまとめて見直したい場合は、マルっとホームページも選択肢になります。対応可否や作業範囲・費用は、現在の環境を確認したうえでご案内します。
ホームページ制作会社の変更は、管理状況の把握から始め、引き継ぎ・テスト・切り替え確認の順で進めることが基本です。旧契約の終了を急がず、サイトとメールを継続して使える状態を確かめてから完了としましょう。
2026年10月4日時点の公式資料を参考に編集。手続きは契約内容や利用サービスによって異なります。