コーポレートサイトのリニューアルを検討するとき、最も気になるのが費用ではないでしょうか。見た目を新しくするだけなら比較的シンプルですが、ページ構成の見直し、原稿作成、CMSの変更、既存記事の移行、サーバー移管まで含めると、作業範囲は大きく変わります。
また、リニューアルでは新規制作と異なり、現在の検索評価や問い合わせ導線をできるだけ損なわずに新サイトへ移す配慮が必要です。301リダイレクトやドメイン管理、旧制作会社との契約など、画面には見えにくい作業も見積もりに影響します。
この記事では、コーポレートサイトのリニューアル費用の相場、見積もり項目、移行時の注意点、費用を抑える考え方を解説します。
コーポレートサイトのリニューアル費用相場

小規模なサイトは30万〜80万円程度が一つの目安
会社概要、事業案内、問い合わせなど、5〜10ページ程度の小規模なコーポレートサイトでは、30万〜80万円程度が一般的な検討ラインの一つです。既存の文章や写真を活用し、標準的な問い合わせフォームとWordPressを導入するようなケースが想定されます。
ただし、同じページ数でも、オリジナルデザイン、取材・撮影、原稿作成、既存記事の移行を含めれば費用は上がります。テンプレートを活用し、自社で素材を用意すれば抑えやすくなります。
中規模は80万〜200万円程度、大規模では200万円以上も
サービス紹介、採用情報、実績、社員紹介、コラムなどを含む10〜30ページ程度のサイトでは、80万〜200万円程度が目安になります。事業ごとに導線を設計する場合や、複数部署への取材・確認が必要な場合は、制作管理の工数も増えます。
30ページを超えるサイト、会員機能や検索機能が必要なサイト、多言語サイト、外部システムと連携するサイトでは、200万〜500万円以上になることもあります。規模だけでなく、機能と移行の難易度で考えることが重要です。
| リニューアルの規模 | 費用の目安 | 想定される内容 |
|---|---|---|
| 小規模 | 30万〜80万円程度 | 5〜10ページ、基本的な会社案内、問い合わせフォーム |
| 中規模 | 80万〜200万円程度 | 10〜30ページ、採用・実績・コラム、構成や導線の再設計 |
| 大規模・高機能 | 200万〜500万円以上 | 多数のページ、独自機能、多言語、外部連携、大量の移行 |
上記は一般的な制作内容を想定した概算です。制作会社、要件、素材の準備状況、移行対象によって金額は変わるため、実際には個別の見積もりが必要です。
初期費用だけでなく運用費も比較する
公開後には、サーバー・ドメイン、保守、バックアップ、セキュリティ対策、修正、記事制作などの費用が発生します。初期費用が安くても、更新のたびに費用がかかる場合があります。
反対に、月額制サービスでは初期負担を抑えやすい一方、最低契約期間や解約後のサイトの扱いを確認する必要があります。数年間の総額と、含まれる運用内容を並べて比較しましょう。
リニューアルの見積もりに含まれる項目

企画・設計・進行管理
現状の課題を整理し、誰に何を伝えるサイトにするかを決める工程です。アクセス状況、問い合わせ導線、競合サイト、既存ページなどを確認し、新しいサイトマップやページ構成を設計します。
関係者が多い案件では、打ち合わせ、スケジュール管理、確認内容の取りまとめも必要です。見積書では「ディレクション費」「企画設計費」「進行管理費」などの名称で記載されます。
デザイン・コーディング・CMS構築
デザイン費には、トップページと下層ページのレイアウト、スマートフォン表示、ボタンや見出しなどの設計が含まれます。コーディングは、デザインをブラウザ上で表示・操作できる形にする作業です。
自社でお知らせや実績を更新する場合は、WordPressなどのCMS構築も必要です。更新できる項目、権限、操作方法のレクチャーまで含まれるか確認しましょう。
原稿・写真・動画・既存データの移行
会社紹介やサービス説明を誰が書くかで費用が変わります。制作会社が取材・執筆する場合は、ライティング費や取材費が加算されます。写真撮影、動画制作、イラストも別項目になることが一般的です。
既存のニュース、実績、コラムを新サイトへ移す作業も見落とせません。移行件数、画像の再登録、レイアウト調整、公開日の維持など、どこまで対応するかを見積もり段階で明確にします。
| 見積もり項目 | 主な内容 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 企画・設計 | 調査、サイトマップ、導線設計 | 分析や提案の範囲 |
| デザイン | トップ・下層・スマホ表示 | 修正回数と対象ページ |
| 制作・CMS | コーディング、更新機能、フォーム | 更新できる項目と操作支援 |
| コンテンツ | 取材、原稿、写真、動画 | 自社と制作会社の担当範囲 |
| 移行 | 記事、画像、URL、計測設定 | 件数と移行後の確認方法 |
| 公開後 | 保守、修正、バックアップ、解析 | 月額費用と対応範囲 |
SEOを引き継ぐために必要な移行作業

旧URLと新URLを対応させて301リダイレクトを設定する
ページのURLを変更する場合は、旧URLごとに対応する新URLを決め、サーバー側で301などの永続的なリダイレクトを設定します。旧ページへのアクセスを関連する新ページへ案内し、検索エンジンにも移転先を伝えるための作業です。
すべての旧URLを一律にトップページへ転送すると、利用者が目的の情報へたどり着けず、検索エンジンから適切な移転と判断されない場合があります。旧URL一覧、新URLとの対応表、リダイレクト後のテストまで見積もりに含まれるか確認しましょう。
301リダイレクトを設定すれば順位が必ず維持されるわけではありません。リニューアルや移転の直後は、検索順位やアクセスが一時的に変動することがあります。
ドメイン・サーバー・メールの管理状況を確認する
まず、ドメインとサーバーを誰が契約し、管理画面へログインできるかを確認します。旧制作会社の名義やアカウントで契約されている場合は、移管の可否、手続き、費用、必要な期間を早めに相談しましょう。
ドメインをそのまま使う場合でも、サーバー変更に伴うDNS設定が必要になることがあります。会社のメールアドレスも同じドメインを使っている場合、設定を誤るとメールに影響するため、Webサイトだけで判断できません。
前の制作会社との契約とデータの扱いを確認する
契約終了日、解約の通知期限、違約金、データの引き渡し範囲、著作権、ドメインやサーバーの所有者を契約書で確認します。WordPressの管理者権限があっても、テーマや写真素材を別の環境で利用できるとは限りません。
新しい制作会社には、契約書、サーバー情報、ドメイン情報、現行サイトのURL一覧、アクセス解析やSearch Consoleの権限を共有できる範囲で提示します。分からない項目は、旧制作会社へ問い合わせる担当者を決めておくと移行が進みやすくなります。
費用を抑えてリニューアルする方法

目的と優先順位を決める
「古く見えるから」という理由だけで全ページを作り直すと、必要な機能が曖昧なまま費用が膨らむことがあります。問い合わせを増やす、採用情報を充実させる、更新しやすくするなど、優先する目的を決めましょう。
アクセスや問い合わせに貢献している既存ページは残し、情報が重複しているページは統合する方法もあります。原稿や写真を自社で用意する場合は、制作会社へ渡せる状態まで整理すると進行がスムーズです。
複数社の見積もりは条件をそろえて比較する
金額だけで比較せず、ページ数、原稿作成、記事移行、301リダイレクト、サーバー移管、公開後の保守を同じ条件で確認します。「一式」とまとめられている項目は、含まれる範囲を質問しましょう。
また、公開後の修正費や月額費、最低契約期間、解約時のサイトの扱いも重要です。安い見積もりでも必要な移行作業が含まれていなければ、後から追加費用が発生する可能性があります。
月額制の「マルっとホームページ」も選択肢
大きな初期費用をかけず、小規模なコーポレートサイトへリニューアルしたい場合は、あおマーケティングの「マルっとホームページ」も選択肢です。
ベーシックプランは月額5,980円(税込)で3ページ構成、最低契約期間は3年です。プレミアムプランは月額9,900円(税込)で8ページ構成まで、最低契約期間は1年です。いずれもオリジナルデザイン、スマートフォン最適化、問い合わせフォーム、WordPress、月3回の修正・更新、サーバー・ドメイン管理、毎月1本のSEO記事などが基本内容に含まれます。
ただし、既存サイトのページ数、記事移行、ドメインやサーバーの契約状況、301リダイレクトの量、独自機能によっては、標準プランだけで対応できず、オプションや個別見積もりが必要です。現在のサイトを確認したうえで、通常の請負制作と月額プランのどちらが適するかを相談するとよいでしょう。
コーポレートサイトのリニューアル費用は、新しいページを作る費用だけでは決まりません。現状調査、コンテンツ移行、SEOの引き継ぎ、契約や管理権限の整理まで含めて計画することが、トラブルを防ぐポイントです。まずは現在のサイトで困っていることと、公開後に実現したいことを整理し、必要な作業が分かる見積もりを取りましょう。